実は超凶暴⁉︎イタチの生態系とその駆除方法
近年、山や森などの自然の多い場所だけでなく市街地でもイタチの目撃情報が増えております。「イタチの被害に困っている」という方は多いのではないでしょうか?
この記事では、そんなイタチによる被害と駆除の流れ、自分で駆除する際に伴うリスクまでわかりやすく解説します。もしイタチが目の前に現れた場合でも冷静に確実な対処ができるよう、その生態や特徴についてもご紹介します。
イタチは、その見た目からは可愛らしい印象を受けますが、性格は気性が荒く攻撃的です。
特に縄張りの中に足を踏み入れるとすかさず噛みついてきたり、引っ掻くなどの攻撃をしてきます。巣穴や天井裏に侵入したイタチを追い払う際は、最善の注意が必要です。
駆除の方法としては忌避剤や捕獲機などが挙げられますが、前述したようにイタチは獰猛です。イタチから攻撃を受ける可能性がある上に、実はイタチは法律により許可を得た人しか駆除できません。
イタチは鳥獣保護管理法により保護される野生動物であるため、駆除するには狩猟期間内であることが必要です。かつメスのイタチの駆除は狩猟期間内であっても禁止されています。
そのため駆除する方法としては、専門業者に依頼し徹底的に駆除するのが一番確実で安心だと言えます。
イタチの生態について
イタチはイタチ科イタチ属として分類される哺乳類動物です。
胴体が細長いことが特徴で、小さい穴や隙間を通り抜けれるような骨格をしています。 日本には4種類のイタチが生息しており、そのなかで家屋に被害をもたらすイタチの大半はシベリアイタチとニホンイタチの2種類と言われています。
彼らは代謝がとてもよく、食料を毎日大量(体重の40%の重さ程度)に捕食する必要があります。主にはネズミ、トカゲ、カエルなどを捕食して食べますが、自分よりも大きなニワトリやウサギなども一匹で捕食可能です。またその性格の獰猛さから、小動物だけでなく人間に直接襲いかかってくることもあります。特に、繁殖期にあたる3月から5月は、非常に気がたっており危険です。
イタチは日中に活動することもありますが、基本的に夜行性です。 そのため家の中に侵入すると、人が寝静まる頃にドタバタと屋根裏を走り回り騒音の被害も多数報告されています。
また、ダニやノミを保有していることもあり、寄生虫や感染症にも要注意です。
更にイタチは繁殖力も高く、一度に5〜8頭を出産します。生後2.5ヶ月で大人になり、産まれて1年目で繁殖が可能になります。つまり、産まれて翌春には繁殖可能ということです。放置しておくとどんどん数が増え、被害が拡大していくことも。そのため、イタチを発見したら早急な対応が必要となります。
イタチを放置して出てくる被害
⑴悪臭
イタチの被害として食害や騒音問題が挙げられますが、悪臭被害も多く報告されております。
イタチは雑食性の動物ですが、なかでも鳥類や小型の動物、昆虫などを好んで食べる肉食の傾向があり、臭いの強いフンや尿をします。
しかも、「ため糞」といって決まった場所で排せつをする習性があるため、イタチに住み着かれた屋根裏では山盛りのフンが見つかることも多いです。
さらに、イタチは驚いたり危険を感じたりすると、こう門付近の臭腺から強烈な臭いの分泌物を出して威嚇します。 うっかりイタチを刺激すれば、鼻が曲がるような臭いを付けられてしまいかねませんので、むやみに近づかないことをお勧めします。
⑵生活環境の汚染
イタチは運動神経が非常に高い動物です。垂直な壁でも登れるほど高所への移動が得意で、屋根や壁に隙間があれば簡単に屋内に侵入されてしまいます。
イタチが住み着くことで、居住環境が汚染されます。屋根裏から異音が聞こえたり、強いアンモニア臭が漂ってきたりすることは、よくある被害事例です。
又、「ため糞」によって1か所にたくさんの糞や尿が溜まってしまい、長期的に居ついてしまうと酷い場合は、積もった糞で天井に染みが出来る場合や、ゴキブリやウジ虫などの害虫が発生するという被害が出るケースもあります。
その他、天井裏の電気配線や設備配管の破損による火災の恐れも無視できません。
棲みついたイタチを放置し繁殖などをしてしまうと、それらの被害も当然大きくなります。
⑶アレルギーや皮膚病感染の恐れ
野生動物であるイタチは菌や寄生虫を多数保有しており、体表に付着しているダニやノミが室内で繁殖してしまうと、咬まれてしまったり、その死骸や糞を吸うことでアレルギーを発症してしまったりすることがあります。
又、人に感染する恐れのある病原菌は直接個体に触れなくても、糞尿などから感染するおそれがあり、イタチにはもちろん、発生した場所にも近づかないようにしましょう。
イタチは体中に沢山の菌を保菌しているとお伝えしました。 では実際そのような病原菌を持っているのかと、感染した場合の症状を紹介いたします。
●サルモネラ菌
症状:悪寒、頭痛、下痢、嘔吐など。
→一般的には自然治癒しますが、小児や高齢者は脱水症状を引き起こし命にかかわる場合も。
●レプトスピラ菌
症状:発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、腹痛、結膜充血など
→初期診断は困難。重症型の方は早期治療が行われない場合、20~30%の死亡率があります。
●ペスト菌
腺ペスト:高熱、頭痛、悪寒、倦怠感、不快感、食欲不振、嘔吐など
→筋肉痛などの全身症状に加え、鼠径部、腋窩、頭部のリンパ節腫脹、及び膿瘍の可能性も。
敗血症ペスト:急激なショック及び、昏睡、手先の壊死、紫斑など。
肺ペスト:強烈な頭痛、嘔吐、高熱など
→急激な呼吸困難、血痰の恐れもある。
イタチの駆除方法について
ここからは具体的にどのようにイタチに対処して行くかをご説明します。
まず始めに、イタチは鳥獣保護管理法により保護される野生動物であるため、区役所や市役所に捕獲許可へ申請書を提出する必要があります。
自治体によってその方法は様々ですが、主に捕獲許可申請書類、捕獲依頼書、捕獲場所がわかる図面や捕獲予定頭数などの詳細な情報記載が必要です。捕獲許可が出る期間は、自治体によって様々ですが平均して約3か月ほどかかるため、早めの申請を推奨します。
又、申請の対象となる方は、地域内に居住または農地等を所有し、家屋へのふん害や農作物への食害に遭われている方に限定されており、アパートやマンション、事業所などの場合、箱罠の貸出や捕獲後の処理は行っていませんので、管理会社や専門業者に相談する必要があります。
イタチを駆除するための準備
イタチを駆除するため始めにやるべきことは、寄せ付けない環境を作ることです。ではどのように環境を整備すれば良いのかについてお伝えします。
⑴イタチを侵入させない
餌になりそうなものを全て撤去する。 雑食のイタチは、餌になりそうな生ゴミ・収穫時期を過ぎた農作物や果実などに寄ってきてしまうことがあります。定期的に庭や畑を確認し、イタチを呼び寄せそうなものは放置せずにきちんと片付けるようにしておくと良いでしょう。
雑草や茂みが伸び放題になっている場合も、イタチにとっては絶好の隠れ家になってしまいます。隠れ家となりやすい雑草は刈って見通しをよくしておくと、イタチが寄りつかなくなります。イタチが寄り付きにくい環境作りを心がけましょう。
⑵侵入経路を塞ぐ
イタチの家屋への侵入を防ぐには、侵入経路の断絶が最も効果的です。
主な侵入経路になる、屋根・床下の隙間、壁の亀裂・配管などを、パンチングメタルのような金属板や金網を用いて塞ぐなど対策が必要になります。
イタチは3 cm程の隙間があれば簡単に入ることができるため、できるだけ目の細かいネットや網を侵入口に設置してください。 特に金属板は強度が強くておすすめです。
⑶嫌がる臭いや強い光を侵入経路に配置する
イタチは明るく光るものを嫌うため、点滅ランプなどで強い光をあて威嚇する方法もあります。
また、イタチは嗅覚が非常に発達している動物です。嫌がる臭いを侵入経路になりそうな場所に配置すると、侵入を防ぐ効果が期待されます。例えば、市販されている忌避剤に含まれるトウガラシやニンニクなどの刺激的な臭いや石油系の臭いはそういった効果を期待できます。しかし、実際には永続的に続く忌避剤などはなく、一時的に追い払うことはできますが徹底的に駆除するのは難しいと言えます。
イタチを駆除するために必要な道具
◎害獣撃退用ライト
ライトによる駆除は、比較的安価で簡単に行えることからも重宝されています。
しかし、同じ光を浴びせ続けてもイタチが慣れてしまい、効果が薄れてしまう可能性が高いです。
それでは、イタチを駆除するために有効的なのはどのようなものでしょうか。
注目するポイントは以下の通りです。
* 価格
* センサーの有無
* 有効面積
* 超音波による追い出し機能の有無
夜行性のイタチは暗い場所を好むため、強い光を発するものを屋根裏に設置すると逃げ出す可能性が高いです。例えば1,000~3,000円で購入できる害獣撃退用ライトや、クリスマス用のイルミネーションなどの明るく点滅するものもおすすめです。
◎忌避剤
害獣の嫌いな臭いを固形のセメントに集めた動物用忌避剤は、イタチが寝床にしている屋根裏などに仕掛けておくと、イタチが逃げ出します。固形タイプは置くだけで設置できるのでおすすめです。効果が1ヶ月以上続くものを選びましょう。
◎箱罠
箱罠は箱に仕掛けた罠により、イタチを引き寄せ捕獲する物です。
箱罠はご存じの方も多いと思いますが、箱罠にも様々な種類があるので、いくつか説明しておきたいと思います。
イタチを捕獲する罠には、以下の3つの種類があります。
・吊り餌式
先端に釣針のように曲げた金属の棒が箱罠の上からぶら下がっている形状をしています。曲がった金属部分にエサを突き刺しおびき寄せるのです。イタチがエサを食べようとエサや金属棒を咥えたり、つかんだりすることでトリガーが外れ、扉が閉まる仕組みとなっています
・踏み板式
罠の底面に板状の仕掛けがあります。エサを踏板より奥側の底面に撒いておき、エサを食べようとしたイタチが板の上に乗った重みで板が下がります。板が下がることでトリガーが外れ、扉が閉まる仕組みです。
・くくり罠
ワイヤーを輪の状態にし、地面に見えないように設置します。輪の中を踏むことで罠が作動し、輪が小さくなることで足を締め付け抜けないよう捕獲する方法です。主に屋外で使用します。小型で持ち運びしやすいため大量に設置することも可能です。
罠の費用はピンからキリまであり、価格も5,000円から3万円程度までと幅広いです。余裕を持たせて、2万円ほどの費用を想定しておけばいいでしょう。自治体によっては保健所で罠の貸し出しを行なっているので、費用を抑えたい方は問い合わせてみてください。
家庭で駆除する場合の注意点
イタチを自分で駆除する場合は、いくつかのリスクがあり、個人でも駆除できるとはいえ、素人では難しいことが理解できるでしょう。
まず、こちらは何度もお伝えしていることですが、家庭でできる駆除の効果は一時的ということ。更に駆除できているか確認する際、プロの業者ならクローゼットや押入れ、浴室などの天井部分にある点検口を開けて屋根裏全体など隅々まで確認することが出来ますが、危険も伴うので素人には難しい作業だと言えます。
また、万が一噛まれたり、イタチの糞尿や死骸に触れてしまった場合、怪我だけでなく感染症や食中毒を引き起こす可能性があります。
プロの業者ならイタチを追い出したあとに害虫の駆除、清掃や消毒など、再発防止だけでなくこのような二次被害防止まで徹底的に処置を施すことが可能です。
家の作りによって様々な対応ができるので、やはりプロの業者に依頼することが一番安全です。
イタチを駆除するなら業者依頼が安心
皆さんの貴重な時間と日常を守るためには、業者に依頼し徹底的に駆除するのが確実で安全です。
「業者は多くあるけど、どこが良いの?」という方のために、下記にイタチの駆除を行ってくれる業者をご紹介いたします。それぞれの会社の強みなどもご紹介しますので、ぜひ個人の目的に合った業者をお選びください。
ハクビシンの駆除を行なってくれる業者一覧
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まとめ:イタチが出たら業者に依頼しよう
イタチは害獣の中でも性格は非常に凶暴、噛まれた場合には感染症にかかる危険性もあります。決して自分で駆除ができないわけではありませんが、非常に多くの手間がかかり、知識がない人が駆除を行なうことは危険も伴います。
また、正しく対処できなければ駆除に失敗するだけではなく、建物の破損を招いてしまう恐れもあります。個人で何かを行いたい場合は、生ゴミや、残飯を外に放置しないなどの環境対策をして業者に依頼しましょう。業者に依頼することで最も安心で確実な駆除を行えるはずです。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。